みんなの引っ越しノート

   

引っ越し事業者の手続きが滞る利用者が相次ぐ

春は進学や就職、転勤など引越しをして新たな生活を始める季節で自身で行うことができれば当然無料で行えますが、重くて大きなものを運ぶのは難しいだけではなく、ガラスや瀬戸物、精密な電子機器など取り扱いに細心の注意が必要なものはプロに任せるのが安心です。
また、マンションの上層部に搬入する際には階段やエレベーターに入らないものであれば、クレーンなどを使って窓から搬入するケースもあり、こればかりは個人で行うのは困難を極めることから専用の重機を保有し経験やノウハウを持っている事業者に任せるしか方法はありません。
そんな中で事業者との手続きが上手く行かず、引っ越しそのものが不可能になるケースが相次ぎ大きな話題となりました。
一部の事業者ではシーズン手当などというこれまで無かった数十万円もの高額な料金が加算され、見積もりの段階で断念したというケースも散見されました。
これまでも書き入れ時となる繁忙期には料金を上乗せするケースもありましたが、あまりにも高額な上乗せに驚きの声があがりました。
この背景にあるのは引っ越し業界に慢性的に続く人手不足に加えて大量に押し寄せる依頼で、事業者で抱えきれるキャパシティを遥かに超える発注に1年間の中で最も大きなビジネスチャンスであることは踏まえつつも、それをあえて断ることで放棄してしまうという珍現象も発生しています。
引っ越し事業者各社では繁忙期を回避すれば比較的空いていることからスケジュールの見直しをすすめていますが、それぞれのユーザーはお仕事や学校が休みに入った時期だったり、小さなお子様が居る場合は転校の手続きがスムースに行える時期など自分達にとって最良のタイミングで引っ越しを行ないたいというのは当たり前の感情です。
しかし、事業者の現場では担当できる人員に限りがあることから、無い袖は振れないというのが現状です。
もうひとつの大きな要因となっているのが、ここ数年で普及し始めている働き方改革で労働時間や残業時間は法令を遵守するのはもちろんのこと、ワークライフバランスを考慮して過労死ラインを超えない範囲の労働時間に収め、しっかりと休日も与えなければならなくなりました。
さまざまな事業で過労死が相次いでいることからここ数年で労基署の監視の目を強め、もしも違反をしている事業者が確認された場合には改善命令が出されるのはもちろんのこと、事業社名を公表したり営業停止にするなど厳しい措置が取られることもあります。
その波は当然引っ越し業界にも来ており、決して従業員の無理をさせることの無い範囲で作業を実施させるのを徹底するのと同時に慢性的な人手不足も手伝い冒頭に挙げたような措置を取るに至っています。
本来ならば現場のリソース不足を顧客に説明し丁重にお断りをするべきですが、せっかく数ある事業者から選んでくれた顧客を追い返すような行為は忍びないという意識に加え、そのような電話対応を行う人員すら割くことが難しいという事情もあります。
そこでシーズン手当などというこれまでの概念に無かった高額な料金を加算することにより、大きな儲けを出すことを目指すというよりは顧客自らがあきらめて他の事業者を探す行動に出て欲しいという意図が見え隠れしています。
本来ならばお金を落としてくれる大切な顧客を断ることは考えられませんが、それだけ切羽詰った業界の厳しさを物語っています。
このような事情があることから引っ越しをする際には可能な限り繁忙期を避けるか、できるだけ早い段階で予約を入れるというのがおすすめです。
繁忙期を避ける場合は繁忙期向けの高額な料金を支払う必要が無くなったり、手続きがスムースにできるなどのメリットもあります。

引っ越し , 手続き